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会社の金庫を把握する

2013年8月16日

こんにちは、メルマガ発行人のアローズ佐藤(中小企業診断士)です。
このメルマガは「中小企業の事業再生・業績改善」を目的として発行しています。

今日のポイントは「会社の金庫を把握する」です。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆今日のポイント◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
 ●会社の金庫を把握する
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数字が苦手だと言う経営者がいらっしゃいますが、
会社の業績改善には数字の理解が必須事項となります。
本当に会社を黒字化したいと思うならば、必ず数字の勉強をしてください。
(次回メルマガで数字に関するミニ講座を開催したいと思います!)

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前回のメルマガで、

会社の財布を把握することについてお話しました。

いよいよ今日は会社経営に必要な3つの金勘定

1.会社の口座を把握する(資金繰りの把握)

2.会社の財布を把握する(損益計算書の把握)

3.会社の金庫を把握する(貸借対照表の把握)

の最後、3.会社の金庫を把握する(貸借対照表の把握)についてお話します。


起業から現在に至るまで、会社がどのように事業を行ってきたのか?

その結果を表す一資料として存在するのが貸借対照表です。

「運用」と「調達」は必ず一致するという考えの基に作られているもので

貸借対照表の右側(負債と資本)の合計と左側(資産)の合計は一致します。

例えば「銀行からお金100を借りる」これが調達。

そして「製品をつくるために80のモノを買い、残りを現金で所持」これが運用です。

ざっくりと言えば、このようなことを一年を通じて行った結果
(会社はどのような調達をしてどのように運用したのか)をまとめたものが貸借対照表です。

ここで、会社というものを一つの金庫だと思ってみてください。

その大きな一つの金庫に

自前のお金、借りたお金、製造設備、製品、儲かったお金などが

全て入っていて、それが一年後にどのように変化したのかを確認する資料なのです。


金庫の中身をどのように整理したらいいのかなどについて決まりがありますが、

今日お話しするのは”貸借対照表を見ることで何が分かるのか?”

逆を言えば”金融機関などは貸借対照表から何を見ているのか?”

についてになります。

本来であれば損益計算書と貸借対照表をセットで見ないとあまり意味がないのですが、

それは追々お話することとして、簡単に見える部分について触れたいと思います。


どこかで聞いたことがあるようなないような専門用語が出てきますが、

耳をふさがずに理解してください。なるべく分かりやすく説明します。

貸借対照表から読み取れることは主に企業の安全性についてがメインとなります。


まずは自己資本比率。

これは自前で準備したお金が貸借対照表の右側合計(あるいは左側合計)に対して

どの程度あるのかを示すものです。

この数字が低いことは自前で準備したお金が少ない、

裏を返せば借りてきたお金が多いということになります。

ここで質問です。あなたがお金を貸すとしたら、

次のうちどちらの会社にお金を貸しますか?

A:自前10、借金90

B:自前60、借金40

細かい状況設定を抜きにして考えれば、普通はBに貸すと答えるはずです。

なぜなら、それだけ会社に体力があると考えられるからです。

借金はいずれ返さなければなりません。

でも返せるという保証は残念ながらどこにもありません。

何かあった時のことを考えると、やはり体力があるほうに貸した方が安全ですよね。

金融機関もこれと同じような視点であなたの会社を見ているのです。


次は流動比率。

これは一年以内に返済しなければいけない負債に対して、

一年以内に現金化ができる資産がどれくらいあるか?を示すものです。

あなたは次のうちどちらの会社が安全だと思いますか?

A:一年以内に返済しなければならない負債100、一年以内に現金化できる資産130

B:一年以内に返済しなければならない負債100、一年以内に現金化できる資産70

これはAと答えるはずです。

なぜならば、Bは一年以内に返済しなければならない負債が100なのに

一年以内に現金化できる、つまり返済時に準備できるお金が70しかない状態です。
30足りない・・・。

ちなみに一年以内に現金化できる資産は貸借対照表の左側、

一番上に流動資産という項目があり、現預金から始まっていると思いますが、

その現預金から棚卸資産までの合計だと考えてください。

ちなみに、もっと厳しい見方をする場合に用いる「当座比率」というのは、

一年以内に現金化できる資産が、流動資産の現預金から受取手形・売掛金まで

で考えるもの(棚卸資産は含まない)です。


その他にも、固定比率、固定長期適合率などがあります。

これらもすべて会社の安全性を示すものです。

さて会社の安全性には3種類あります。

1つめは、初めに説明した会社の基礎体力を示すもので「自己資本比率」

2つめは、短期的な安全性を見るもので、少し説明した「流動比率と当座比率」

3つめは、長期的な安全性を見るもので、未説明の「固定比率と固定長期適合率」

金融機関が定期的に決算書の提出を要求してくるのは、

こういった安全性がどのように変動しているのかを把握するためなのです。

(もちろん安全性だけではなく、収益性や効率性なども見ています)


3つの安全性は、慣れてしまえば3分で計算できるものです。

あなたの会社の資産状態(金庫)がどのようになっているのか?

外部からどのように見られて、どのように評価されているのか?

それを知ることは、金融機関や取引先との関係性構築、

会社の目標を設定するなど、会社経営において非常に重要なことです。

数字はウソはつきません。

(数字にウソをつかせても見る人が見ればバレるものです)

会社の本当の姿をきっちりと把握することが業績改善のスタートです。


今回は、中小企業で必要な「3つの金勘定」の最後

3.会社の金庫を把握する(貸借対照表の把握)

に関するお話をしてきました。

これで中小企業に必要な「3つの金勘定」のお話はいったん終わりにします。


次回は初開催になります「数字に関するミニ講座」を

お送りしたいと思います。

あなたの会社の血液型は何型なのか?

それを知ることで業績改善でやるべきことの優先順位が分かり、

改善ポイントが分かりやすくなります。


◆◆◆◆◆◆◆◆今日のポイントのおさらい◆◆◆◆◆◆◆◆
 ●会社の金庫を把握する
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■編集後記
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
このメルマガでは、業績悪化に悩む中小企業経営者の皆さんに
役立つ情報を提供できればと思っています。

ご感想・ご意見は、お気軽にご連絡ください。
では、また来週お会いしましょう!           (アローズ佐藤)

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